米国資産相続

米国ハワイ州資産相続

米国内にて不動産・銀行預金・証券類等の資産を有する個人が他界した場合、法定相続人は米国の弁護士を雇用し、他界日から9ヶ月以内に米国にて相続申告の申請を行わなければなりません。 相続申告を行うことにより、遺産額より6万ドルの基礎控除を受けることができます。 又、各法定相続人が相続を放棄する場合は、故人の他界後9ヶ月以内に権利放棄書を巡回裁判所に提出しなければなりません。もし、相続申告期間を経過していた場合は、相続放棄を行うことが出来なくなり、遺産税の納税義務が生じます。 更に、相続申告が5年以上経過していた場合は、巡回裁判所において「故意による相続無申告」であったとみなされ、審理の対象となり6万ドルの控除が受けられなくなります。又、米国相続税法において罰金が課せられる場合があります。尚、通常の相続手続きとは異なった相続申請となりますので、費用も高額になります。

 

遺産税

他界した日を基準に、不動産鑑定士が全ての資産の鑑定を行い、米国会計士が総遺産に関する申告書を作成します。
そして相続人が米国国税庁および、各州(州により納税額は異なる)に納税を行うこととなります。
相続の手続きには、多大な期間と相続手続き費用が必要となります。
尚、不動産登記の形態により相続手続きに違いが有り、連帯不動産の場合は、正式に婚姻届を出している夫妻にのみ認められた形態で、一方が他界なさった場合、相続手続きは不要となります。他界した事を死亡診断書および、除籍謄本等を英文に和訳し、巡回裁判所へ申告する事となります。この相続手続きを行いませんと不動産の名義変更・銀行の資金移動・売却等の手続きを行う事が出来ません。
米国での相続手続きは、ハーグ条約(民事事件に関する裁判上の文章の外国における送達及び告知に関する条約)が適応されます。米国における法律を無視なさること事は、国際協定に抵触することとなります。日本の相続手続きにおいて、相続資産を税務署に申告する義務が生じますので、大変重要な事となります。

※注意事項※
昨今、相続税を回避するために弁護士に依頼し、名義変更をご子息や法人名義に変更するケースがございます。名義変更は可能ですが、名義を変更なさる事は生前贈与となります。売買において名義変更なさられる事が正常な行為となりますので、米国税法及び日本の税法では生前贈与の扱いとなります。

 

相続手続き手順

①故人の死亡診断書もしくは故人を含む法定相続人全ての方の戸籍謄本、その他全部事項証明書等が必要となります。更に、遺言書に米国資産に関する記載がある場合、または遺産分割協議書が存在する場合は、必要となります。

②①の書面を全て英文に翻訳し、米国大使館公証部にて領事より公証を受け、米国顧問弁護士に書面を渡します。

③相続人より故人の米国での財産情報(銀行預金・株 等)を提出していただきます。

④相続人の中より代表者を選任していただきます。

⑤遺産代理人を選任いたします。所有者が他界して5年以上経過している場合、遺産代理人は相続における責任を負うこととなりますので、慎重に選任しなくてはなりません。

⑥弁護士は被相続人より基本情報の収集・確認し、②③④⑤の書面を基に相続申告に関する書類を作成し、巡回裁判所に相続申告を行います。

⑦米国の新聞にて、故人が他界されたことを公示しなければなりません。

⑧相続人は米国内の資産に関する相続申告書を提出し、米国国税庁及びハワイ州に納税を行います。相続税の納税証明が米国国税庁及びハワイ州より送付されます。

⑨弁護士は納税の確認後、巡回裁判所へ申請し登記所にて法定相続人への名義変更登記を行い、相続の終了となります。

 

相続完了までの期間

土地の場合:1年~2年
コンドミニアム・一軒家の場合:2年~4年の期間
(相続中においても裁判所に売却許可申請を行うことにより、売却が可能です。)